教職員の倫理綱領
2011年6月15日 愛西学園愛知黎明高等学校
生徒は、その人格の完全かつ調和のとれた発達のため、愛情と理解にあふれた環境の中で成長すべきであり、平和、尊厳、寛容、自由、平等および連帯の精神に従って育成されなければならないと私たちは考える。
学習権は人間の生存にとって不可欠な手段であり、学習権なくして人間的発達はありえず、それは基本的人権の一つであり、その正当性は普遍的であることを認め、あらゆる教育活動の中心に学習活動を位置づけ、学習活動によって、生徒を自らの歴史をつくる主体にかえていくことを私たちは決意した。
人間の尊厳を学び、人間の自己再生力や創造力を確信し、その潜在可能性に働きかけて開花させ、人間存在への畏敬の念を抱きつつ、人生の困難にひるまず人々と共に道を拓き、さまざまな問題を解決して民主的で文化的な地域社会づくりに貢献する充実した人生の主人公に、生徒とともに私たちは成長する。
私学人たる誇りを懸けて、庶民のための学校づくり、自由と民主主義の砦たる学校づくりに邁進し、公正・公平で安心して学べる教育環境を実現するために、あらゆる人々と協力・協働の輪を広げていくことを私たちは宣言する。
生徒の尊厳と最善の利益
- 1.教職員は、すべての生徒の尊厳を尊重し、かつその限りない可能性を信頼する。
- 2.教職員は、生徒の最善の利益を最優先する。
公平、安心、安全の確保
- 3.教職員は、生徒を一人として取り残さない。
- 4.教職員は、生徒が安心して学習できる環境づくりのために協力し合う。
- 5.教職員は、生徒の学習や自主的な活動が阻害され又は危険にさらされたならば、直ちに生徒を保護し安全を確保し、状況の改善を図る。
守秘義務、名誉の保護
- 6.教職員は、守秘義務を順守し、個人情報の保護に努めるとともに、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行う。
- 7.教職員は、いかなる生徒も、その私生活、家族、住居もしくは通信に対して恣意的に干渉されたり、名誉及び信用を攻撃されることのないよう最善を尽くす。
環境の保護、改善
- 8.教職員は、生徒とともに自然環境を守り、環境悪化や災害が生徒に及ぼす影響を最小限に抑えるために努力する。
意見表明権、参加権の尊重
- 9.教職員は、生徒が、その成熟度に応じて、自己表現し、かつ自分たちに影響を及ぼすすべての事柄に参加する権利を尊重するとともに、生徒の自主的な諸活動を支援する。
協働
- 10.教職員は、互いの尊厳を尊重しながら、生徒、父母及び同僚との間に信頼関係を築き、協働して教育活動を展開する。
教育活動の原理と方法
- 11.教職員は、環境を保護し、平和、人権、民主主義を促進しようとする人格の発達に寄与し得る原理と方法によって教育活動を展開する。
民主的人格の形成
- 12.教職員は、他の文化に心を開き、自由の価値を理解し、それぞれの違いを尊重することができ、非暴力的な方法によって問題を解決し、地球環境の保護、改善に積極的に取り組むことのできる思いやりと責任感のある市民を育成する。
学力の育成
- 13.教職員は、探究し、創造する学力を育て、自分の未来と対話し、明日を探究し、問題を解決していく生徒を育てる。
- 14.教職員は、多様性の中にある価値を認識し、受容する能力、及び他者と対話し、意思疎通を図り、つながり、分かち合い、協力・協同の関係を構築する能力を発達させる。
- 15.教職員は、自主的、批判的に世界を読み取り、自ら考え、自ら進んで課題を設定し、自分で自分の学習と行動をコントロールしていく生徒を育てる。
父母及び地域との提携、協働
- 16.教職員は、教育の過程を現実の社会生活により密接に結び付け、それを寛容と連帯、人権の尊重、民主主義と平和の実践にかえることを援助しうるすべての協力者との協働を追求する。
- 17.教職員は、父母の学校参加を重視し、父母と協働して教育づくりを進めるとともに、地域に学び、地域に開かれ、地域に貢献する学校づくりを推進する。
私学づくり
- 18.教職員は、生徒、保護者、市民とともに、庶民のための学校づくり、自由と民主主義の砦としての私学づくりに参画する。
教職員の社会参加
- 19.教職員は、いかなる個人、集団も問題に対して唯一の解答を持つものではないこと、各自は相互に理解・尊敬されるべきことをふまえ、個人間、集団間の平和・友情・連帯を強化し、他者とともに問題を解決し、公平で平和的、民主的な共同社会のために働く。
自己研さん
- 20.教職員は、自己の責任と能力を的確に認識し、常に、継続的な学習による能力の維持・開発に努め、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に寄与する。